診療内容

当院の診療内容

乳腺疾患の診断
画像検査:マンモグラフィ、超音波(エコー)
病理検査:細胞診、組織診
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乳がん検診
個人検診、企業検診など
乳がん及び乳腺疾患の手術後の薬物治療、フォローアップ
リンパ浮腫のご相談

※当院には手術設備・入院施設はございません。
手術が必要な場合、また当院で行っていない検査や治療が必要な場合には、患者さまやご家族と相談しながら希望の病院をご紹介いたします。

なるべく両方受けて欲しい!マンモグラフィ+超音波

マンモグラフィ検査超音波検査(エコー)はそれぞれ特徴や優位性が異なります。
それぞれの検診、検査の頻度に決まりはありませんが、当院では、超音波は年に1~2回、マンモグラフィは1~2年に1回を目安としています。

マンモグラフィ(乳房X線検査)について

レントゲンでは乳腺は白く、脂肪は黒く映ります。一方で、がんを疑うしこりや石灰化もレントゲンでは白く映ります。個人差はあるものの、年齢を重ねると乳腺は脂肪に置き換わっていくので、背景色が暗くなり、コントラストがついて異常を見つけやすくなります。

例)30代
例)30代
例)70代
例)70代

右胸を横から見たX線写真

乳腺が多い若年者は乳房全体が白く映るため、マンモグラフィ検査でしこりや石灰化を見つけることが難しい場合があります。

マンモグラフィが優れているのは、石灰化の評価です。

早期の乳がんの中には“しこり”を作らず、石灰化のみで発見されることがあります。
石灰化とはカルシウムの沈着です。授乳や炎症などをきっかけにできることもあったり、良性腫瘍のなごりとして残っていたりすることもあってそれ自体は珍しいものではありません。
大きさ、形、濃度、分布の仕方などから良性か悪性かを判断します。乳がんを疑うような石灰化の場合は非常に小さいものの集まりであり、超音波での診断が困難なことも多いです。

もうひとつマンモグラフィで評価しておきたいのが、ひきつれです。

乳がんは硬いしこりを作ることが殆どです。柔らかい乳腺の中に硬いしこりがあると、マンモグラフィで強く圧迫した際に、しこりの周囲だけ広がりが悪く、レントゲン写真でひきつれのように写ることがあります(構築の乱れ)。最近の超音波機器の中には、当院のものも含め組織の硬さを評価できるものもありますが、マンモグラフィで評価することも大切です。

引き攣れ

当院のマンモグラフィ検査の特徴

  • フィルムは一切使用しません。全てデジタル化した画像を高精細モニタで自由に拡大することが可能なので、かつてのフィルム読影のように、細かい異常を虫メガネを使ってみることがありません。また、撮影直後にその場で読影し結果をご説明することができます。

    石灰化が見られる乳房
    石灰化が見られる乳房。デジタル画像を拡大することで小さな石灰化が集まっている状態を鮮明に確認できます。
  • 日本人女性の体型に合わせて設計された東芝のMammorex Pe・ru・ru DIGITALを採用。
    圧迫圧の2段階調整ができるので、乳房に急激な圧力がかかる心配がありません。
    また、フラットパネルなので検査時間が短いのも特徴です。
    最新の高性能機器の導入により、受診される方の痛みや不安をできるだけ軽減するよう努めています。

    検査風景

  • 乳房に無駄に強い圧をかけたり、無理な体制を強いることは受診される方にとって大きなストレス。
    当院では、経験豊富な専門の女性技師が検査を担当し、なるべく弱い圧でのやさしい検査ができるよう努めています。

超音波(エコー)について

一般的に乳腺の検査で圧倒的に知名度が高いのはマンモグラフィですが、それは日本の自治体検診がマンモグラフィのみでカバーされているため、「乳がん検診といえばマンモグラフィ」という認識が一般化しているのではないかと思われます。
もちろんマンモグラフィは重要な検査ですが、実際の臨床の現場では、乳腺専門の医師の多くは診断におけるかなりの部分を超音波検査で得た情報に頼っているというのもまた事実です。
殆どの乳がんは”しこり“(腫瘤)をつくりますが、この評価にはマンモグラフィよりも超音波検査が優れています。
具体的には、しこりの形状や周囲組織との関係(浸潤や乳管拡張)の他に、しこり内部の質的情報(濃度や影のつき方)が評価しやすい特徴があります。
因みに最近の超音波機器には、しこりが良性か悪性かの判断をサポートするための以下のような機能もあります。

パルスドプラ(微細な血流を表示)

細胞が速いスピードで増殖するためには栄養、血流が必要であり、特にがんには自分の組織に周囲の血管を引っ張ってくるような性質があることも多いです。

パルスドプラ

エラストグラフィ(組織の硬さを映像化)

悪性腫瘍は良性腫瘍に比べて硬いことが多く、内部の硬度のバラつきも少ないです。

エラスト

マイクロピュア(微細な構造物を見やすくする)

乳がんはしこりの内部に石灰化を併発することも多く、マンモグラフィ程ではないにせよ、少なからずこのモードで石灰化の評価が可能です。

マイクロピュア

1回の診察でも機器によってはこれだけの情報を得ることができますが、がんの性質として大切なことは、“放っておけば時と共に必ず大きくなる”ということです。
その性質を見逃さないように、少しでも”良性である”と言い切れない感覚を持った時には数ヶ月後にもう1度しこりの大きさを確認することで、より安全性を高めることができます。
毎回同じ専門の医師が検査をしていれば、ミリ単位の大きさの違いや形状の微妙な変化の評価が可能です。

検査自体の特性としては、痛みがないことと、放射線被曝がないことで、マンモグラフィのような痛い検査は受けたくないという人はもちろんのこと、一般検診で受診を断られる妊娠中・授乳中の方や、豊胸術後の方も多少精度は落ちたとしても、明らかな異常は確認できます。

検査風景

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